【システム・オブ・ア・ダウン】同胞の無念を表現し続ける孤高のUSメタルバンド!
今回紹介するのはシステム・オブ・ア・ダウン。
ちなみに画像のアララト山はトルコとアルメニアの国境にそびえ立つ山で、
バンドの曲中にも登場してきます。
彼らを紹介する上で「アルメニア」というキーワードは欠かせないでしょう。
SYSTEM OF A DOWN
結成:1995年
ジャンル:ヘヴィメタル
紹介したい曲が多すぎて迷いましたが、YoutubeでMVが7億回近い再生数を誇る
「Chop Suey!」にしました。
後半の展開が美しいので最後まで聴いていただけると嬉しいです。
SOADのデビューアルバムを初めて聴いた時は脳幹に掌底を受けたような、今までに
感じた事のないような衝撃でした。
当時は愛読書「クロスビート」で新譜をチェックし、休みの日にはショップで気になる
アルバムを買い漁っている日々でしたが、SOADにハマると他のバンドが陳腐なものに
思えてくるような、SOADにはそんな崇高さを強烈に感じました。
2ndアルバムは発売初週で全米1位を記録、当時ニューヨークでは「SOADは10年先を
いっている」と評されていましたが、あれから10年以上経ってもSOAD以上の
バンドというのはなかなか見つかりません。
私にとってSOADは神聖で鋭利、そして音楽とは何なのかを考えさせてくれたバンド
でした。
バンド構成はVO,G,B,Dの4人構成で、全員がアルメニア系アメリカ人です。
日本人にはあまり馴染みのないアルメニアですが、まずは位置から確認しましょ。
はいここです。
西にトルコ、北にロシア、南にイランと大国に囲まれた危険な位置ですね。
歴史的に見てもオスマン帝国として栄えたトルコや南のイスラム朝、北のロシア帝国に
狙われ続け征服され続け、ようやく国家として独立したのはソ連崩壊時の1991年です。
アルメニアの歴史はまさに悲しみの歴史・・・。
最も悲しく、そしてSOADの活動の根幹を成す事件は第一次世界大戦中に起きた
アルメニアンジェノサイドです。
トルコによって行われたアルメニア人大量虐殺の事実をトルコは今なお認めておらず、
トルコと関係の深いアメリカや、そのアメリカと関係の深い日本も議会では認めていま
せん。
認めちゃうと外交上問題が生じるからですね。
SOADの活動はこの事実をアメリカに認めさせる事が根幹にあります。
ファッキントルコなわけです。
SOADの曲調は中近東特有の独特なリズムから奏でられるゴリゴリのメタルですが、
こうしたアルメニアの歴史的背景を知る事で彼らの曲が怒りや悲しみに包まれている
事を感じ取る事ができます。
感じ取れたからこそ彼らの曲を崇高に思えるのかもしれませんね。
歌詞は英語ですが詩的表現が多く、アメリカ人のファンの間でも様々な考察がなされて
います。
英語が苦手な私が和訳を諦めるのはごく自然な流れでしょう。。
バンドは5枚目のアルバムを発表した後に活動休止、現在は活動を再開しており、
トルコ以外の世界中のファンが新譜を待ち焦がれています。
音楽という武器で戦う彼らを私はいつまでも応援する事でしょう。